春の途端

センベイ食べて生きてる

ヒルマ・アフ・クリント展の話

会場入口で

ヒルマ・アフ・クリント展に行ってきた。前売券で買っていたのにすっかり遅くなってしまった。(6/15最終日だった)

art.nikkei.com

抽象絵画の先駆者として展覧会の公式サイトで紹介されている画家。完全に勉強のつもりで訪ねたのだけど、ものすごく満喫してきた!

画業のはじめは職業画家として、リアルな肖像や風景を描くことが多かったらしい。それが17歳ぐらいで交霊術などスピリチュアリズムに関心を抱き、天啓に基づいた作品づくりを行うようになったとか。

 

アフ・クリント展、空間の妙といった感じ。彼女が高次の霊的存在から啓示を受けて生み出した連作「神殿のための絵画」が50点近く見られる第3章は、途端に壁の色が白から灰に変わり、入り組んだ本当の「神殿」のようになっていた。

特に、その「神殿」が開けた先で見られた“10の最大物”の展示会場が大好き!

照らされる“10の最大物”のキャプション(展示会場壁)

「10の最大物、グループⅣ」より、右から「No.1、幼年期」「No.2、幼年期」*1

 

展示会場は急に暗くなり、中央をぐるりと回る形で、10枚の大作が展示される。

幼年期から、青年期、成人期を経て、老年期に至る「10の最大物」。

(鑑賞者はその誕生、成長、終焉を循環する形で見られるわけだ。)

完全に主観になるけれども、一見脈絡のない画面に見えても、その連関に成長過程を感じた。例えば、写真の「幼年期」の2枚には青がメインで使われているが、青年期に入ると鮮烈な赤(マティスの赤みたい)になる。成人期は淡い色合いに変化していくのと同時に、それまで曲線のモチーフが多かったのが「No.10 老年期」は急に四角形が登場して、ほかの9枚と雰囲気が違う。

絵の中身とタイトルの組み合わせがなんとなく私のイメージ通りでもあって、精神世界を追ったアフ・クリントの眼差しが、意外と近くにある気がして楽しかった。

今回の展覧会、写真をSNSにアップする際はキャプション必須とのことなので、最後に改めて作家名から書きつけますね。

 

アフ・クリントを観た後で、コレクション展も見ました。何度か観たことあるけど定期的に内容が変わるので必見。特に近代の日本美術が充実している。

ここで清宮質文(せいみや・なおぶみ)に出会ったので、書きつけておく。初対面の癖して遠目からビビッと痺れて、流し見のつもりが惹かれてしまった。

清宮質文「九月の海辺」1970、木版(多色)

気に入りすぎて今これが待ち受け画面。

見つけてすぐ、ここから物語が生まれそう、と思った作品だった。また近いうちに会いに行こう。

*1:

右:ヒルマ・アフ・クリント、「10の最大物、グループⅣ、No.1、幼年期」

左:ヒルマ・アフ・クリント、「10の最大物、グループⅣ、No.2、幼年期」