春の途端

とりとめもなし、思考や事象や日常について

アイスティーの小話

夏になると我が家はアイスティーを常備し出す。

家族の皆がそれなりに飲むので、ほんの数日経つと大きなプラスティックのポットも空になる。それを洗って乾かすと自然いつも夜で、起きているのは私だけ。そういうとき、私が明日の分を作る。

やかんに多めで水を入れ、火にかけておく。そのうちにティーバッグを2つ、ポットに用意。湯が沸くまでキッチンでジッ、と待つ。主にスマホ見ながら耳をそば立てる。やがてフツ、フツと湯が鳴り出すので、ゆっくりと茶葉を用意したポットに注いでいく。

何回か行って、既に馴染んだこの流れは、夜という濃い空気が相まって儀式にも思う。キッチンだけにつけた照明も、一歩そこを出れば暗がりという特別感がある。

なみなみとポットを満たす熱い湯が、少しずつ茶葉に色づくのを眺めながら、そっとキッチンの端に寄せて、一晩。湯気が消えた頃に冷蔵庫の中へ、昼間にはいきいきと麗しいアイスティーになっている。それを楽しみに夜を眠る。