春の途端

とりとめもなし、思考や事象や日常について

Caligulaシリーズについて

Caligula というゲームシリーズがある。1作目のCaligula (無印)とそのリメイク作Caligula Overdose 、昨年には新作としてCaligula 2が発売された。PS vitaから始まったゲームのようで、ODと2はswitchに対応している。

私はこの作品たちが大切で、とても大好き。出会ったきっかけは本当に日常の延長線といった感じであり、昨年の秋にCaligula 2というゲームがあることを知った。気になってサイトを調べてみるとキャラクターやストーリーがとにかく刺さり、ものは試しと思って購入。閉鎖的な世界、暴くことの躊躇われる現実、それでも踏み込もうとすることへの背徳感。この物語に集まるのは、苦しみもがいてきた者が多い。キャッチコピーは「理想(おまえ)に現実(じごく)を見せてやる」。

舞台は、仮想世界・リドゥ。ここはバーチャドールと呼ばれる、ボーカル音源(及びそのキャラクター)が思考を持った存在によって創り出された「後悔のない世界」。このリドゥの創造主として存在するバーチャドールがリグレット。

 

www.cs.furyu.jp

 

バーチャドールによる仮想世界は前作・Caligula 及びCaligula ODでも登場するが、今回のリドゥとは全く異なる場所に当たる。2は前作の5年後だという。

ここが現実でない、と気づきかけている者は皆必ず何らかの悪い夢を見ている。夢の中の世界であるので、眠るときの夢という概念がそも存在しないリドゥ。嫌な夢を見た、と話す彼らを仲間に主人公らは“帰宅部”を結成、つらい現実への帰還を目指すというあらすじ。

重要であるのは、リドゥは後悔を抱えている人間がやって来る場所ということ。帰宅部の皆も心に何かを抱えている。そして、その後悔を癒すため、なかったことにするため、現実とは異なる容姿・年齢・性格をしている可能性もある。実際に目にしている彼らが本当の“彼ら”とは限らない。あなたはそれでも、彼らの心に踏み込みますか?

”してはいけないとされたことほどしたくなる”カリギュラ効果を題に持つ、偶像殺し学園ジュブナイルRPG・Caligula シリーズ。

 

このゲームの魅力はストーリーも勿論なのだけれど、何より曲によって世界を創る歌姫の、その圧倒的な歌唱力・中毒性のある楽曲にある。音楽が世界観の核となる分、説得力あふれるクオリティの高さにはただ平伏せざるを得ない。また、それらの曲を物語中で提供する存在を楽士(がくし)というのだが、彼らもまた現実にトラウマを持つ者ばかりであり、理想の中にいたい、という点で帰宅部とは相対することとなる。戦う中で主人公であるあなたは仲間を知り、敵を知っていく。

カリギュラには公式YouTubeチャンネルがある。そこで楽士たちの曲も視聴できるのでよかったら聴いて頂きたい。本当にどれも最高だから。

 

youtu.be

2ではムーくんの曲がいちばん好き。

 

登場するキャラクターたちは、決して強いわけではない。リドゥの中で温まり、傷を癒している途中であり、つらい現実に帰ることに苦しみを覚えすらする。これは前作Caligula無印・ODに特に顕著なのだが、彼ら帰宅部は決して特別な存在ではない。何かを恐れて、逃れようとして、仮想世界へやって来た、どこにでもいる普通の人間たち。だからこそ彼らの戦いはプレイするこちらの胸に沁みるし、愛おしく思う。等身大の人間の姿がそこにはある。

ちなみにこれは余談になるが、何とCaligula ODでは闇落ち楽士ルートを楽しむこともできる。一心に信頼を受けた帰宅部部長として、彼らを裏切った行く末は――。

 

www.cs.furyu.jp

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素敵な作品に出会えたことに、何よりの感謝を。

 

 

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