春の途端

とりとめもなし、思考や事象や日常について

岡本太郎展の話

行ってきた。

東京都美術館はこの間も行ったばかりで(ボストン美術館展)、続けてお世話になっている。ず〜っと狙っていた展覧会、嬉しい! 美術館に通い始めの頃は印象派など、ふんわりと光遣いのいい絵を好んでいたのだけれど、最近は反対に、原色の強い、比較して抽象的な画面が好き。ピカソやブラックのキュビズムの表現とか、ゴッホゴーギャンとか。だから岡本太郎の絵を見に行くこと、すごく楽しみにしていた。実際すごい楽しめた!

抽象的でありながら、よく見つめるとそのモチーフの形や、状況が分かりやすい岡本太郎の作品。民俗学の知識から、それら呪術的な要素を含んだ独特な風合いのものがあり、恐らくそれが“岡本太郎らしさ”なのだろう。19世紀末から20世紀頃の(主に西洋絵画だが)画家は、作風が顕著で絵を見てすぐ「彼/彼女だ!」と分かるのが特徴だと個人的には思っているのだけれど、岡本太郎もまた、一目見てすぐにピンとくる。力強さと生々しさとが、幾つ時間を経ても尚ぎらぎらと輝いていた。

館内、撮影OKで、入り口すぐのフロアにてこれを撮った。

『訣別』という題がついている。この左手に『駄々っ子』という作品があるのだけれど、右下の黒い生物と似た、ピンク色の生物がそちらにはいる。

太陽のようなぎらついた眼を持って、大きく口を開けたような生物の姿と、右下のスマートな生物と。この眩しい色遣いが好きだ、と思った。華々しい。

 

個人的に、最近撮影OKの展覧会が増えたが、私はあまり好きでない。勿論私もこうして写真に残しているだけあって、気に入った絵をいつでも見返せる場所に留め置ける(その絵の持つ魔力は画面越しだと多少欠けるかもしれないが)のはとても嬉しい。だけれどそれ以上に、シャッター音鳴り響く空間と撮影に夢中になる人が苦手。今回も常にあちこちでパシャパシャ、カシャカシャとシャッターが鳴っていたので、それらが苦痛な方にはお勧めできない。平日でも上野は人が多いから避けるのが難しいかも。

 

 

同じ東美でのゴッホ展のときも驚いたが、この岡本太郎展もまた、グッズの多様さがすごい。展覧会外で作られた岡本太郎グッズまで沢山揃えられ、彼方此方目移りしてしまう。(あと高い)

私が一瞬で目を奪われたのが、彫刻作品『午後の日』のぬいぐるみ。手乗りサイズの丸っこいビーズぬいなのだが、それがもうかわいくて……高い……(お値段2,750円)悩みに悩み通した末、お迎えしてしまった。かわいいので実質タダかもしれない。

 

 

岡本太郎展は上野・東京都美術館にて年内12月28日まで。あの『太陽の塔』は勿論、岡本太郎の歩みを一度に知れるいい機会となっているので、いいなと思ったら行ってみて下さい。当日券の用意もあるみたいだけれど確約でないそうなので、サイトからの事前予約だと安心!

 

これは午後の日くん

 

taro2022.jp