今年の好きなものの話をしたい。
2022年も趣味にたくさ〜ん興じて、たくさん蓄えることができた。心の充実度はとても! 幾つかお話していきたいと思う。
●オスカー・ワイルド『サロメ』(平野啓一郎訳,光文社古典新訳文庫)
間違いなく今年のベストに挙げたい一冊。十九世紀末、時代の寵児ワイルドによって書かれた戯曲で、新約聖書に描かれるエピソードを元にアレンジが加えられている。感想がまだ書き起こしの段階なので、手早く此方でご紹介をば。
王女・サロメは、義理の父(であり、叔父。サロメの実母・ヘロディアは彼と再婚した)王・ヘロデに「踊りを踊ったら褒美をやる」と言われ、“七つのヴェールの踊り”を踊る。それは殆ど裸同然と言ってよく、ヘロデが彼女を“女”として見つめているのは明らかと言っていい。満足した彼はサロメに「褒美は何がいい?」と問うが……
(聖人殺しはタブーである)
ワイルドのサロメは、恋に燃えている。皆が皆、揃ってサロメの魅惑に虜となる中で、神のたった一挙をもこぼさず得ようとするヨカナーンは、唯一サロメの手の内にない。サロメはそんな彼が愛おしくて、愛おしくて、「あなたの唇にキスしてみせるわ!」と言う。
「あたし、あなたの唇に口づけしたわ! ヨカナーン!」
銀の盆の上に、こぼれる血潮を共にして、彼が目を瞑っている。その瞼が開くことはもうなく、その舌が動くことはもうない。ヨカナーンがサロメを本当の意味で見ることはなかった。
余談だが、これを読んでずっとサロメに取り憑かれていた時に、原田マハ『サロメ』(文春文庫)も読んだ。アート小説をよく書かれる方で、今回は「サロメ」を作ったオスカー・ワイルドと、画家オーブリー・ビアズリーの関係性が、オーブリーの姉・メイベルの視点を中心に描かれる。このお話について言いたいのは、皆が「サロメ」であるということ。楽しく、おすすめ。
こちらはオーブリー・ビアズリーの作品が表紙となっている。ちなみに文庫とハードでその作品が違うらしく、これは文庫バージョン。
●ピカソ 青の時代を超えて 展(ポーラ美術館)
まだ会期中。箱根・ポーラ美術館のピカソ展。ピカソと聞いたら飛んでいきたいので、今回ホント〜に満腹! とっても楽しかったね!
ピカソといえば彼がパリに出てきた後の方にスポットライトが当たると思うのだけれど、今回はスペインにいた若い頃の作品も幾つかあって、そこが特に目の癒しだった。重厚感に気分をホクホクとさせられた。
また、ピカソだけでなく、同じキュビスムの画家ジョルジュ・ブラックや、ポーラの誇る印象派コレクション、現代画家ゲルハルト・リヒターなど、最高最高……盛り上がってばかりいられた!
幾つか写真を紹介する。
(これは入り口の看板 ポーラのロゴ可愛くて好き)
(エントランスまでの景色 ちなみにフィルムカメラで撮影しています)
(ポーラの庭 彫刻など中心に作品が沢山あり、ここも楽しい)
都内からなどとなるとちょっと(大分)遠いけれど、旅行する気分で行くにちょうどいいのかもしれない。
(リンク先はアップルストアに飛びます アプリゲームです)
“ガチャの為に”以外で初めて課金をしたゲーム。
そこはどこか、壁に挟まれ道を行く私の前に、ひとりの住人——エスが現れる。彼女はその世界にたったひとり、いつだって本を読んでいて、時折戯れのように、私と関わる。私はエスとの問答を経て次第に「私」を知り、その答えはやがてエス自身にも変化を——。
基本的には無料で楽しめ、特別会話や広告非表示などで各個課金がある感じ。私、エスのことが大好きだ。これはきっと、プレイした人の殆どと同じ気持ちを共有できると思う。
エスにまた会いにいかなきゃね。
●チリ(ポケモンSV)
ありがとうございます
大好き
多分みんなそう
●銅と真鍮のハーフリング
ayano otsubo様という、アクセサリーなどをつくられている方がいらして、そちらの方で夏の始まり頃にお迎えさせて貰った。ハーフの名前通り、赤みを持つ銅と金に眩しい真鍮とが半分ずつ、指輪を成している。他であまり見たことがなく、そのシンプルさが何より素敵で、ここ半年ずっとつけていた。目に入る度ジッと見入ってしまう。大切にしていきたい。
●千銃士R
前々から話してはいるが、大好きなゲーム。年明けを前に本編が更新され、我々はしんどくも確かな一歩を踏み出した……11月には1周年が祝えて嬉しかった、また来年も祝わせて!!
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(急ぎ足ですが そろそろお別れです)(これは好きな写真)
来年、私は生活がガラリと変わり、多分また色々な新しいことを知るのだと思う。それが楽しみと同時、ちょっと怖い。2023年も生きていけますように。
おやすみなさい!